JAPAN INCUBATION GROUP
AOKI HOLDINGS / GROUP MEMBERSHIP PLATFORM / 2026.07
AOKIORIHICA快活CLUBコート・ダジュールFiT24
AOKI GROUP ID

5つに分かれた会員基盤を、
1つのIDに束ねる。

同じお客様が漫喫にもカラオケにもスーツにも来ている。
それを、いまのAOKIグループは認識する手段を持っていません。

提案者 Japan Incubation Group 提案日 2026年7月29日 種別 構想提案・概算見積もり
01

いま起きていること

AOKIグループには3つの事業領域があり、会員基盤はそれぞれ独立して存在しています。 同一人物が複数の業態を利用していても、グループとしてそれを一人の顧客として見ることができません。

AOKIAOKIアプリ/AOKIカード
ORIHICA独立した会員
快活CLUB店頭登録の会員証
コート・ダジュール独立した会員
FiT24月会費会員
この構想の本質は「新しいアプリを作ること」ではありません。

分断されたIDを1つに束ねることです。アプリはその結果として必要になる入れ物にすぎません。

複合カフェは来店頻度が高く、接点が多い。ファッションは単価が高く、来店頻度が低い。 この2つが1つのIDで繋がったとき、はじめて「頻度の高い接点から、単価の高い購買へ送客する」という動きが設計できます。 現状はその判断材料となるデータ自体が存在していません。

02

統合すると、何が生まれるか

01会員の囲い込み

グループ横断のポイントとランクにより、離脱コストが上がります。1業態からの離脱が、グループ全体からの離脱を意味するようになる。

02相互送客

複合カフェの高頻度接点から、ファッションの高単価購買へ。「快活CLUBを月3回利用した会員にAOKIのクーポンを自動発行する」といった設計が可能になります。

03安定した収益基盤

福利厚生として法人契約を持つことで、個人消費の波に左右されにくい需要を確保できます。

04サイズ情報の一元化

店舗で採寸した情報がWebでも使える。「サイズがわからないから店舗でしか買えない」という制約が外れます。

福利厚生は、社外向けの前に社内向けから始めます。

AOKIグループ従業員向けの優待をシステム化することで、最も難しい人事システム連携を自社データで作り込めます。 加えて「グループ全従業員が使っています」という事実は、提携企業への営業で最も効く一言になります。

会員IDは一生変わらない不変のIDとし、所属(一般会員/グループ従業員/提携企業社員)は期間付きで出入りさせる構造を採ります。 これにより退職した従業員も、提携先を離れた社員も、そのまま一般会員として履歴とポイントを保持したまま残ります。 会員コードで区分を管理する方式では、この滞留が取りこぼしになります。

03

4段階で、小さく始めて大きくする

いきなり3億円を投じる必要はありません。各段階の終わりに投資判断ポイントを置き、 データが揃ってから次に進む設計にしています。各段階で撤退できることが、この構成の価値です。

判断① 500〜1,000万1.5〜2ヶ月
Phase 0
調査・検証
会員重複率の実測、POS改修可否、パートナー選定
判断② 6,300〜8,500万6〜8ヶ月
小規模検証
(プランB)
社内+一部店舗で回遊仮説を実データ検証
判断③ 1.5〜1.8億10〜12ヶ月
Phase 1
共通ID基盤
2業態を単一IDで横断利用できる状態まで
2.9〜3.5億通期24〜29ヶ月
Phase 2–3
全体展開
全業態・クロス特典・サイズ・福利厚生まで

バーの高さは投資額に比例(Phase 0 は全体の約2.3%)

Phase 0で、3億円の投資判断に必要な材料がほぼ揃います。

なかでも重要なのが会員の重複率の実測です。快活CLUB会員とAOKI会員がどれだけ重なっているかが分かれば、 重複が高ければ「統合すれば送客できる」、低ければ「そもそも客層が異なる」と判断できます。 どちらに転んでも次の意思決定ができる情報であり、これを1,000万円以内で得られます。

04

概算見積もり

全体像として3つの進め方を比較します。いずれもAI活用を前提とした開発体制での試算です。

進め方 工数 工期 開発費 特性
小規模検証型
プランB
70〜93人月 6〜8ヶ月 0.63〜0.85億円 POS連携・サイズ・社外福利厚生を含まない。仮説検証が目的
フェーズ型推奨
プランA
357人月 24〜29ヶ月 2.9〜3.5億円 3期に分割。各期末に投資判断を挟める。最初の価値提供は10〜12ヶ月目
一括開発型
プランC
361人月 18〜21ヶ月 3.0〜3.6億円 完成は早いが、18ヶ月間なにも世に出ず軌道修正もできない
AIで工数は31%削減、しかし工期は20%しか縮まりません

実装は2.5〜3倍速くなりますが、本件は外部システム連携・データ移行・調整が全体の約40%を占めます。 POSベンダーとの調整、移行リハーサル、貴社内の意思決定は、開発が速くなっても縮みません。

ポイントは無償ポイントに限定します

購入・チャージ機能を持たせると資金決済法上の前払式支払手段に該当し、供託や継続報告の義務が発生します。 無償ポイントに限定することで、この規制対応コストをまるごと回避できます。

本見積もりに含まない費用

項目概算備考
POS側改修数千万〜1億円既存POSベンダーの作業範囲。Phase 0で確認します
ID基盤・ポイント基盤ライセンス初期3,000〜8,000万円
+月額300〜800万円
実勢レンジでの仮置き。ベンダー見積もりが必要
脆弱性診断・法務レビュー500〜1,500万円グループ内共同利用の同意設計を含む
店舗教育・移行キャンペーン別途全国店舗のオペレーション変更を伴います
5年間の総保有コストは約8億円です

開発 約3億円+運用 約5億円(ライセンス・インフラ・保守で年8,400万〜1.2億円)。 提案段階でこの数字を伏せることはしません。判断に必要な情報だと考えています。

05

体制と、私たちの役割

JIGは元請けとして、事業構想・要件定義・アーキテクチャ決定・品質保証・全体マネジメントを担い、 実装は選定した開発パートナーと共同で進めます。

  • 設計書・アーキテクチャの意思決定権・成果物の所有権は、すべて貴社およびJIG側に置きます。特定のパートナーにロックインされない状態を維持することが、長期運用の前提だと考えています。
  • パートナー選定はPhase 0の作業に含めます。複数社への有償トライアルを通じて、実力を本番前に見極めます。
  • Phase 1以降は専任のアーキテクトをJIG側に置き、パートナーの成果物を継続的に技術評価します。
先行事例として、西武ホールディングスがあります

鉄道・ホテル・レジャーという多業態グループが、各社バラバラの会員基盤を統合するため2024年1月にグループ共通ID基盤を導入しています。 ファッション×複合カフェ×ブライダルという構成の貴社と、課題の構造がほぼ同じです。前例のない挑戦ではありません。

まず、Phase 0 から。

1.5〜2ヶ月、500〜1,000万円。ここで得られる情報が、その先の3億円の判断を確実にします。 Phase 0の結果が芳しくなければ、そこで止めていただいて構いません。

PHASE 0 / 調査・検証
  • 既存会員データベースの品質アセスメント
  • 会員重複率の実測(回遊仮説の一次検証)
  • POSベンダーの特定と改修可否・概算の取得
  • 開発パートナー候補2〜3社への有償トライアル
  • Phase 1の確定見積もり